2014-12-04

美しいから美しい~深海ビブリオバトル潜入レポート~

しゃべるイベントに出てください

しゃべれないので無理です

しゃべれない人として出てください


この間5秒(ボクが3秒)ぐらいだったと思うが、この世にはいくら全身全霊を込めてコミュニケーションを試みようとしてもダメな場合もあり、しかもそれを待ってたかのように手首を掴まれて古びた井戸の淵へ誘導され、オットットッとそのまま頭の自重により、髪の毛がわんさか溜まった井戸底へサラリと落とされる場合もあるという事を、今後も人生を続けるならば知っておかなければならない。物理が大の苦手なボクにとっては物理の授業から始まり、こちらのイベントへの参加が決まった。


11月29日18時~杉並区立科学館
深海ビブリオバトル
HPなし、Twitter、Facebook削除予定


ビブリオバトルが何なのかは、こちらの動画(1分以内)を観ればすぐに分か(ったような気にな)りますので是非ご覧ください。「深海ビブリオバトル」は、ビブリオバトルを深海というテーマに絞ったイベントです。




冒頭の会話は、主催者さま(以下、ビブ中の人)とボクとの会話で、「ビブリオバトル」そのものを全く知らなかったその時のボクにとっては、そんなしゃべる事がメインとなる得体の知れないイベントで、人との対話ならまだしも人前で一人しゃべり続けるなんて無謀な事をする人間が存在してはならない!というテイの、嫌です、という意思表明だったが、「ただのアソビですから」と言われて、ああそうなんだと気付けば井戸から這い上がれなくなっていた。これは今年の冬から春にかけて起きた出来事である。


夏を経て~秋を経て~また冬を経・・・・・・

アートディレクターに任命します

突然のビブ中の人からの指令、というか最初は本当にネタだと思っていて、どうせ深海マザーは怪しいとか言われてるしまあ胡散臭くてイイかもなどと思っていたら、イベント当日に近づくに連れて徐々にビブ中の人が本気だという事が分かってきた。これはまさかプロとして扱われているのか・・・いやそんなこ・・・いやいや・・・みたいな自覚の薄さのようなモノが邪魔してしばらくふっきれない状態が続いた後、真剣に役目を果たす事に決めたのだった(いつもは手を抜いてるという意味ではございません)。
そんな葛藤をしながらも、本当にネタだったら恥ずかしすぎるけども・・・。

深海マザーの構成員はボクを含めて三名もいるので、与えられた任務(優勝トロフィー制作、会場の装飾など)をこなすには十分な手の数だった。深海ドリームを終えてから間もないせいか、「主催」という言葉を聞くだけで傷が疼くような状態だったが、ビブ中の人の主催任務を想像すると大変だろうなあと同情すらできる余裕もあったのだが、突然の内輪事があり、とにかく前日の夜になってもトロフィーしか準備ができていない状態に陥って、代表も欠席表明するなど本当に焦った。ワカメンは「行けますんでぇゴザイマス」と言ってくれたので少し安心したが、以前ボクが余裕綽々と言い放った「大き目のチムニーを4本創る」という重圧で変な汗が出てきた。ドースルドースルドースルドースルと無駄に歩き回ったりしながら過ごす。すると日付が変わる頃、ビブ中の人がメールで届けてくれた当日のタイムテーブルの中でこれが光った。

Check:発表本をチムニーの周りに設置

キタ!
瞬時に「大きな栗の木の下で」ならぬ「大きな鉄のチムニーの下で」の画が浮かんだ。予定していた4本分の材料を使って1本の大きなチムニーを創り、チムニー周りに置かれた本を取り囲むように群がる人たち。その光景を激写したい!と思って結局写真は撮り忘れたが、身体のどこかに刻まれているので満足である。

黒鉄の延べ棒を表現したチムニー「クロガネーゼ」
黒鉄の延べ棒を表現したチムニー「クロガネーゼ」

優勝者に贈られたトロフィー
優勝者に贈られたトロフィー
右:「浅め」オオグチボヤ
左:「深め」ゴエモンコシオリエビ(胸毛はオプション)

写真提供:りるあさん

トロフィー土台
トロフィー土台
彫刻ですよ

写真提供:りるあさん

チムニーの頂で回転し続けるトロフィー
チムニーの頂で回転し続けるトロフィー

写真提供:りるあさん


バトルは「浅め」の部と「深め」の部に分かれ、大まかに前者にはビブリオ界の猛者達、後者には深海クラス達が偏り、各5名ずつ計10名の発表者がそれぞれの想いを込めて、当日まで隠し通してきたマイ深海本を晒していった。紹介された深海本や見どころなどは、発表者の一人でもあったおちさんが素晴らしく詳細におもしろく書かれているので、是非こちらの記事を読む事をおすすめします。

ビブリオバトルは愛で乗り切れ!ルールに縛られず楽しむのが吉 : おち研

ボクは「深め」にエントリーしていたので、まずビブリオ界の猛者達の発表を聞くことになった。みんな緊張しているのか、笑顔なのに身体が震えながらしゃべっている。しかし、事前準備された布石本や資料などを交えたその巧みな話術に圧倒され、確かただのアソビだって言ってなかったっけ・・・!!!と魂の叫びも虚しく、即興でやってやると決意した事を後悔し始めたら、「浅め」が終わった頃には完璧に絶望し、もうダメだ・・・と喫煙所へ向かっていた。


休憩時間が終わると、容赦なくビブ中の人が「深め」の招集をかける。まずジャンケンで発表順を決めるらしい。勝った方が先なのか後なのか分かってないまま一番負けた。負けたヤツは一番最後だという。ああ、もうそんなに長くはない・・・余命6分といったとこだな・・・ボクの心臓・・・この場面で代表がいなくて良かった・・・慰めてくれるどころか、とことん追い込まれるだろうな・・・。

ジャンケンで一番勝ったのは、おちさんだったらしく、海底で地震を起こしたようにドォーーーンッと海水を「深め」へ激変させた。この深海クラスモード突入で、ほんのちょっぴり心臓がふわっと浮いたような気がしたが、さらに激しくドッドッ、ドッドッ、と大きく振動し始めたメインポンプから送られる血液を感じながら番を迎えて前に引っ張り出され、紹介する本を背後の机に置いた。そこから見る景色にはどういうわけか、クロガネーゼとゾンビちゃん(ビブリオ界の猛者の一人)がやけに目立っていて、チムニー、ゾンビちゃん、チムニー、ゾンビちゃん、と交互に語りかけるようにしゃべった記憶があるが、あんまり関係ない熱水噴出孔の事なんかをしゃべっていたら、5分間の内の4分間ぐらいを使い切ってしまい、ようやく本の存在を思い出した。残り1分・・・慌てて本を手に取り、タイトルすら言わずに紹介を始めたが、時すでに遅し。しかし、さすが、と言って良いのだろうか。質問タイム最後のビブ中の人からの質問が、ボクの一番言いたかった事を引き出してくれたのだった。

美しい絵を見た時
人は美しいと感じるでしょう 
そこに理由はありません 
ただ、美しいから美しいのです 

ボクは、そんな感覚を持っている人を美しいと感じ、発表を終えました。




おわりに

今回の会場となった杉並区立科学館が来年で閉館してしまうそうです。この科学館では、「深海ドリームビッグバン」の地であり、「ス・アンナ教のミサ」が行われた巣穴であり、今回の「深海ビブリオバトル」開催の地でもありと、個人的にとても想い入れのある場所になっただけに悲しいです。

ビブ中の人こと深海ビブリオバトル主催者さま、お疲れさまでした。素晴らしい機会を頂けた事に感謝しております。それから会場内の作品を始め、私の初めての発表を聞いてくださった方達に感謝いたします。

楽しかったです。
有り難うございました。

2014-11-16

ミスター・ジャムステック~深海ドリーム 高井研 vs 深海マザー~

目が覚めると、感覚がなかった。

見知らぬ封筒がテーブルの上に置いてある。中を見ると現金が入っている。これはどういったお金なのかと問うと、物販の売上だという。誰が売って誰が何をどんな顔で買っていったのだろうか。液晶画面を見ると「楽しかった~」とか「まさにドリーム!」といった活字が流れているのを見かけた。しかしすべてがまやかしに見える。会場に来られた人たちは本当に楽しめたのだろうか。出来事だけははっきりと覚えているのに、それに乗っかったモノがどうしても表示されない。本当に夢だったのではなかろうか。突出して輝いているのは、一人の地球人の活き活きとした笑顔だけであった。


ボクらはある事のために、とある古びた科学館に来ていた。そこだけ年月が経つのを嫌うかのような雰囲気が漂っている。奥へ向かへば向かうほどそれは濃くなってゆき、辿り着いた先には突然の宇宙空間が拡がっていた。いくつかの星が流れては消えると、今まで微動だにしなかった太陽が、その時を待っていたかのように小さくボッとフレアを放ち、それを偶然浴びてしまって火傷を負った小惑星の叫びから、それは生まれたんだ。


深海ドリーム第一夢
高井研 vs 深海マザー「マジでキミら何なん?」「何がでございましょう」突然の深海論争勃発!



高井研さんは、深海ファンから絶大な人気を誇り、深海にとどまらず、地球、宇宙にまで夢を馳せる研究者として有名である。対する深海マザー(代表:山田里紗、創作:宇山亮、店主:生ワカメン)は深海でも底のほ~うをテーマにしながら家具家具を創り続ける一民間企業で特別コレといったアレではない。一見深海つながりに見えるかもしれないが、比較する事自体が無意味な二組だ、というような認知のされ方だと思っている。それにしても何がどうなったらこの二組が同じ夢の中で論争とかいう話になるのか、と思われた方も多いと思う。

ボクらは初めて「深海ドリーム」というイベントを企画する事になった。もちろんタイトルも自分たちで決めたので、内心では「これほどまでに素晴らしいタイトルは他に存在するわけがない」などと今でも思い込んでいるのだが、どう考えたってしゃべる事に長けた高井さんに論争で勝てるわけがない。

キミら何なん?
マジでキミら何なん?
ホンマ、マジでキミら何なん?

と迫られたら

いや・・・
え・・・
あ・・・

のようになる事は目に見えている。
しかしながら「とりあえずVSって付けときゃイイんじゃね?」みたいな軽いノリで付けた訳でもない。これはきっと太陽フレアを浴びた時に、理屈では説明できない何かが起こったに違いなかった。

これまでに数回程度だが、高井さんのご講演を拝聴した事があり、どのように講演されるのかはおおまかには知っていて、しかしどれをとっても高井さんは何かしらのオトナの事情を気にしながら話されているように見えて、本当はもっと凄まじい破壊力をお持ちなのではないだろうか、もっともっとファンと身近に接したいのではないだろうか、とか思いながら少しムズムズした気持ちを家までテイクアウトしていたのであった。なので、せっかく深海マザー主催という機会を得て高井さんをお迎えするからには、可能な限り炸裂できるような空間だけはご用意したいという夢を見ていたが、現実はそんなに夢っぽくはなかった。

講演を依頼するには、高井さんの研究に沿った内容でなくてはならなかった。しかし普通に依頼しては今までの講演と何も変わらなくなってしまう。何度も挑戦し続けてその想いが届いたのか、どこからともなく、「深海アトランティス連邦大統領首席補佐官ケン・タッカイ」という存在がふわりと現れ、こんな言葉が降りてきたような気がした。


もう諦めえや
キミらも出演せえ
※ 実際には何も言われてません(これはテイではありません)


イヤだ。イヤに決まってる。それだけは・・・と、どんな手を使ってでも逃げようとしていた部分を見透かされていたのだろうか、落ち葉の下に巧妙に隠されていたハンモックみたいなネットの上に足を踏み入れて、バシュッと木の枝に吊し上げられた挙句に夜が更けて寝るしかなくなってしまったかのように、あっさりとそれはそうなった。しかしボクらがそれを諦めた事によって夜が明けたのか、「高井研」としてはそのような場には出られないが、高井研の魂を受け継ぐスーパーヒーロー「ケン・タッカイ」が講演という「テイ」を装って登場してくれることになり、追いつめられていた心を救ってくれたのだった。

それにしてもこの「テイ」という言葉、めちゃくちゃ便利で使い易いんです。


超講師招致成功
超素人主催者出演決定


出演者ヨシ。あと欠かせないのは物販と音響だが、深海マザーの構成員だけじゃ人手が足りない。生ワカメンには彼にしかできない重要な任務がある。予算的にも人に頼む事は難しいだろうと吐きそうになりながら、いつもの依存症によるTwitterシュコシュコサーフィンをしていると、なにこれ、熱水チムニー兜?被れないしどう使うのか全く分からない何の役にも立たなそうなモノが目に飛び込んできた。素晴らしい。これはぜひ会場で展示販売して欲しい。作者は老舗面蛸陶芸家の有麒堂さんだった。作家でありながらも「むじんくん」のような超スピードで現金の受け渡しを可能にする能力を持ち合わせているという事を、ボクはどこかでチラ見して知っていた。すぐに代表が組員を引き連れて殴り込みをかけると、なんとご夫婦揃って協力してくれるというのだ。


超速物販士補完成功


マイクとかスピーカーとかよく分からない分野だし、ああ、なぜボクは音響設備が整った会場を選ばなかったのかと激しく後悔しながら吐きそうになっていると、ピロンッ(やりまっせ!)と突然マイタブレットが鳴いた。何をやりまっせ!?開いてみると、いつもお世話になっている撮影の仕事をされているササキのおじさまがやりまっせ!とピコピコしている。この方は特に深海生物や深海系の人が対象になると、レンズを覗く顔の目や口元が怪しく変化する事を、ボクはどこかでチラ見して知っていた。要するに撮るのが大好きなのだ。しかも音響設備の用意と撮影までしてくれるというのだ。


超絶収録陣補完成功


整った・・・!
スタッフ皆整いました・・・!

映画「アルマゲドン」や「ザ・コア」などで一つの事を成すために、各分野スペシャリストが結集されていく場面を観るような快感に満たされながら、自ら作った映画を観終わった気分で感動していたが、ボクらは大きくうねる大海原に浮かぶ漁船に乗って「釣りバカ日誌」のような映画に出演していたという事に気が付いた。


公式生放送させてください


イベントが面白そうなので様子をインターネットで生中継させてもらえないかという突然の依頼があった。この頃はまだ席の埋まり具合が半数にも満ちておらず、もしそのまま開催されれば、講演されるケン・タッカイの熱弁が、ステージから客席をスルーして後方の壁までダイレクトにぶち当たった末に儚く散っていく夢、という光景が容易に想像できてしまい、ヤバイ、ムナシイ、それだけは避けなければと思っていたので、主催の立場のみからしたら宣伝になり得る事は全て欲しかった。

しかし、既に今イベントは密室(生中継なし)を前提としていて、お客様にはそのように告げてある。それにケン・タッカイは映像的には流せない表現を多用される事が予想されていたので、生中継したとしても結局その面白さを伝える事ができないだろうと思ってお断りしようと思っていた。
のに、それなのに、心が大きく揺れているではないか。なぜだ。何も迷う事はないはずだ。なぜ揺れているのかとふと足元を見ると、漁船だと思って乗っていた物が実は巨大な天秤だったのだ。しかもたぶん真ん中の方であっちへふらり、こっちへふら~りと身を委ねているだけで、もう少しのところであっちへ行ってしまった挙句に吐いてしまっただろう。

天秤を一気に傾けてくれたのはササキのおじさまだった。撮影の立場からすると、時間的にもスペース的にもセッティングは不可能、それは別のイベントでも出来ることであり、深海マザー発のイベントに期待していると言われた。ボクがどっちかにふらつくには十分過ぎる一言であった。

そして、賭ける事ができた。
吐いたけど。


・・・・・・


薄暗くなる頃を見計らって集まってくるドリーマーたちの影がちらほらと見え始めた。皆それぞれどんな夢を見に来たのか、時間が来ると木々がうにょ~んと曲がって道を作り、そんなことはどうでもイイから入りなさいよ、と夢への扉を開けてくれたように見えた。


第一部:学術講演会
海はなぜ深くなるのか?それを知るとなぜ生命は深海熱水で生まれたかが理解できるのだ!

全部新作だよ~とケン・タッカイがステージに上がったのを見て、ボクらも出演席へと腰を下ろした。そこから辺りを見渡すと、たくさん用意したカラフルな椅子達がお客さん達を一人残らず座らせてくれていた。お馴染みのフェイスや、どこかで見たようなフェイスもそこにはたくさんあり、一応危惧していたような事はなさそうだと安心していきなり水を飲んだ。

喉がカラッカラなのである。
ボクは基本的に鼻呼吸なのに、普段から渇き気味で良く水を飲む。それに加えて前々日ぐらいから原因不明の急激な口内砂漠化が進行していたので、当日は一升瓶に水を入れて持っていこうと考えていたのだが、忘れた・・・。目の前に置いてあるペットボトルに入った、たったの500mlの水。不安だ。不安過ぎてさらに砂漠化が進んでいるような気がする。長丁場になる事を予想して時間は多めにとってあるのはイイが、飲み過ぎて途中で水が足りなくなって、何かしゃべった時にカッとかなったらどうしよう(代表からニチャニチャしてんじゃねーよと言われる)。

ドライ or モイスチャー

前日まで吐きそうになりながら極限状態に陥っていたMC代表だったが、本番で隣に座って聞いているとデキる、デキている!と思ったのに、即座にケン・タッカイから「仕切りワルっ!」とdisられて夢は始まった。

ボクの自己紹介の番になった。ケン・タッカイは講師、代表はMCという役割が決まっているのだが、いくら考えても思いつかなかった。一体何役でここにいるのだろうか。それに人前でしゃべるなんて初めてに近かったはずだが、前日見た緊張予報が大きく外れ、ドキドキバクバクといった心臓の音がまるで聞こえず、むしろ心地よいぐらい落ち着いているのに、

声が出ない

ドライなわけではない。マイクに慣れていないせいで、出ているのかどうかが分からない。自分の声が聞き取れていないのか。それにしてもなぜ緊張していないのか。それがまずおかしい。落ち着きすぎている。おかしい。もっと緊張しないとダメだ。それになぜか近距離でケン・タッカイがニコニコしている。なんなんだこの状況は。それにお客さんの顔が見えない。たくさんの姿形は見えているのに一人一人の顔に照準が合わない。見たいのに。まさかそのせいで緊張していないのか。ああ緊張しておけば良かった。なぜあの時緊張しておかなかったのか。相変わらずケン・タッカイはニコニコしている。

というようなボクの始まりだった。

ケン・タッカイの自己紹介になると、「なんでワシが」「なんだかワカらんが」「なんなん?」と言いながらも、何がどうなってこうなったのかという事を楽しそうにしゃべってくれた。
そして「テイ」とされている講演が始まると、熱水噴出孔の研究はもう古く、ケン・タッカイの興味は「超深海」に突入したという事が宣言された。10000メートルを超す海溝には未知の生態系が拡がっていて、ケン・タッカイが目指す土星の衛星エンケラドゥスなどに行く前の良い暇つぶしというテイになるそうだ。そこで「しんかい12000」の話が浮上するのである。

おもしろい・・・・・・!
想定してた通り、映像で公開されるとなった場合、「ピーーー」や「バキュンバキュンッ」が必要になるであろう発言や、モザイク(リアルの段階で既にモザイクが入っていたモノもアリ)が必要になるであろうスライドが次から次へと流れていき、そこにはテンポ良くそれに応じたしゃべりが乗せられていく。時々自らのネタでツボに入って爆笑するシーンや、そのネタを知っていそうなお客さんに「ワカル?ワカルでしょ?」と同意を求めるような巻き込みシーンもあったりと、既にめちゃくちゃ楽しそうにしゃべられていて、ボクも代表も、その意味が分かろうが分からまいがほぼ笑いっぱなしだった。ケン・タッカイの為に用意した空間で、ケン・タッカイが楽しそうに笑いながらしゃべっている。主催者としてこれほど安堵を覚える事は他にない。

しかし、なぜかお客さんが笑っているのかどうかが分からない。ササキのおじさまによる複数台のカメラがボクらを睨んでいるはずだが、おじさまとカメラはどこだ。物販スペースにいるはずの有麒堂夫妻はどこだ。ワカメンは今一体どこで何を被っているのか。なんだかこのステージ上で自分たちだけしか笑ってないような、不思議な感覚に陥って今度はものすごく不安になってきた。喉がカラッとしている。


第二部:公開討論
しんかい12000ってどうよ?マニア目線と一般国民目線で語ってみよう

再び「仕切りワルっ!」とdisられた代表の仕切りだったが、この部では世界最深部まで潜れる有人潜水艇が本当に必要なのかどうかをテーマにお客さんたちと語り合う時間だ。少し長めの質疑応答タイムでケン・タッカイとお客さんの距離が縮まればと考えていた。

手が挙がらない

ふふふ、そう思っていたよ。最初って手を挙げにくいんだよね、だからその空気を破壊し、且つ、後の人が挙手しやすい環境作りが大切だから、少し砕けた質問をするために徹夜で作ったこのスライドを駆使してボクがまず手を挙げるのさ・・・・・・

というハズだった・・・なのに・・・ケン・タッカイのお話のある部分が想定外だったために・・・このスライドはダメだ・・・使えん・・・これではウロコをすべて抜かれたスケーリーフット、胸毛をすべて刈られたゴエモンコシオリエビに等しい・・・代表はこの件を知っているハズだが、助けてくれるわけがないな・・・一人総特攻して散るしかない・・・と判断し、自ら手を挙げざるを得ない状況に追い込んだ上で、思いっきり手を挙げて質問したのに

日本語でしゃべってください

キタ。
ケン・タッカイの地球人離れした洞察力によってボクが置かれた状況が瞬時に見抜かれたのか。日本語以外しゃべれないという事がバレるのは仕方のない事だが、日本語で質問したのに日本語でしゃべれという事は、見抜かれたに違いない・・・!

という闘いがあって負けたんです。
しかし、そこからはお客さんからいろんな質問が飛び交い始めたので、主催者としては特攻が成功したのである。死んだけど。

部のタイトル通り討論らしくなってきた中で、ボクの涙の泉に映ったのは、「一つのお高い有人潜水艇と、たくさんのお求めやすい無人探査機だったらどちらが必要か」だった。ここでケン・タッカイがサイエンティストとホモ・サピエンスに分裂する。科学としては無人の方が遥かに進む。しかし、その結果人間としての大切なモノを失う、といった「効率重視の社会」についての問題だった。

これでも深海マザーは一応社会の一部として存在している。しかし、それを維持するために効率を求めつつあり、現に最初は手作り品のみを販売していたのに、最近では業者に発注するようになってきた。このまま進んではいけないと思いつつも現実的にそうせざるを得なくなってきている。一番気持ち悪いのは「自分で創った」という実感がないことだ。久しく創っていないような気がする。まだそんな風に感じている内は良いが、このような状態が長く続けばきっとその部分が麻痺してしまって腐っていってしまうのではないだろうか。

単純に、深海い~き~た~い~とダダをこねるような話ではないのだ(って書いてたら、同じことを大金持ちのお嬢さんが言ったらイケそうな気がしてきた・・・)。

とにかく、ケン・タッカイはそう、国民に問いかけていたのだった。

全然関係ない話だが、客席におられた深海ビブリオバトルの中の人さんが、ケン・タッカイに「あの方はしゃべるとダメなんですよ」とdisられた際に、ひょんな事から代表も一緒にdisってしまうという現象が発生したのだが、ほんの数秒の間だけの二人のリズムの良さに大きな可能性を感じてしまったのだった・・・。


第三部:高井研vs深海マザー
いびつな絆 深海マザー=自称家具屋の真実

これまでケン・タッカイを密着していた取材陣が退却していった。ついにテイが剥がれ落ちる・・・真の深海ドリームが始まろうとしていた。

まだまだ距離がある!と、ケン・タッカイは客席へ向けて放った。もっともっとぶっちゃけて進めたいとの事で、海水水槽の水替えをするようなイメージなのか、突然のMC代表退場、客席から突然の新MCマッシー就任という展開になった。マッシーさんはいろいろな番組で勤められているプロのMCであり、たまたま客席に来られていたのをケン・タッカイに捕獲されてしまったのだ。しかもタダで・・・。

しかし主催者としては万々歳で、特に代表は「あまりの仕切りのワルさにヘキエキしてます」とかdisられたりもしてたので、この突然の交代は大歓迎だったのではないだろうか。とにかくMCがプロに変わっただけでこんなにも空気が変わるのか、と実感できるような変わり様があった。

だが、酔っ払っている。
それはそうだ、このイベントはアルコール類も持ち込みOK、食べ物持ち込みOKの基本的に何でもOKが前提である。突然前へ呼ばれるなんて思いもよらなかったマッシーさんは酔っ払っていて当たり前だが、おもむろに持ち込んでいた缶チューハイやおはぎなどを前に置いたとたんにステージを支配していた。ただ気になったのはテンションが良く分からなかった事だけだった。

こうなると進行のスピードが上がり、お客さんが手を挙げると「キミ、所属は?」と差し方も鋭くなる。そうすると答える側も「あとらんてぃすちゅうがっこう2ねんのさぁんどまぁんです」のようになり、「なんでとんがったおくつをはいてないのぉ?」という質問がケン・タッカイに投げかけられるというまさに深海らしい流れになるのである。

深海マザーについて妄想した小説がある、とケン・タッカイは切り出した。誰に対してでもそれがあり、「これがクリエイティブです!」と自負するケン・タッカイによれば、どうも深海マザーは怪しい、なんか変だと感じるという。なんかねーなんかねーと笑みを浮かべたり、妄想ですから!と何度も繰り返すような語り口が印象に残っているが、おそらくはこの小説を語りたいがために色々なテイを装ってやって来てくれたのだということだけは分かった。

実は「いびつな絆」と聞いて、ボクは深海マザーとアノ絆の事でdisられるのだとずっと思い込んでいたのだが、いざスライドに「いびつな絆 深海マザー=自称家具屋の真実」と表示されると、

ゴクリ・・・・・・!!!

こ、これは・・・!
マジだ・・・!
マジでやってきた・・・!

急激に空気が張りつめていった。ボクも代表もソレらに対して口を開く事ができないでいる。ケン・タッカイがしゃべりながらもこちらの様子を伺いながら反応を見ているように感じる。空気が読めたのか読めなかったのか、マッシーさんがその真実について突っ込んで、キタ・・・・・・!これはもう何か言わなければマズイ・・・!と思った寸でのところでケン・タッカイが妄想でエエやないか!と断ち切った。本当に息が詰まるほどの攻防だった。これがタイトルにある「VS」の神髄だと思った。

ここでケン・タッカイが「いや実際そう思わへん!?」とお客さんの一人に問いかけると、うんうん、と頷いている。それに代表は興味を持ったのか、そう思ってる方は手を挙げてくださーいと言うと、バババッとたくさんの手が挙がったが、いやこれは妄想ですから!という事でやっと終止符が打たれた。

時の流れを捉え切れずにいる中で、突如ボクはある異変に気が付いた。さっきまでそこに鎮座していたケン・タッカイがいないのである。

あれ、なんか違う人がいる・・・・・・。


何が起きたのかは分からない

確かにボクはその”何か”を捉えたんだ

高井研のテイとして現れたケン・タッカイ

それすらテイだったかのように思えるような

ミスター・ジャムステックと名乗る地球人が

そこにはいたのだ


楽しかった~と散っていくドリーマーたちをすべて見送った後に、イベントの様子が収録された映像データをササキのおじさまから闇取引で入手した。自分たちの情けない姿が映ったそれを視聴したボクと代表が同時に首を吊ろうとした事は言うまでもないが、夢の中にいたお客さんたちが楽しんでいる様子がハッキリと映しだされた画面を観て、ああ、終わったんだと二人で言った。マイカレンダーに赤ペンで「バトル高井研&」と汚い字で書いて楽しみにしていたウチのジュンコも、役目を終えてゆったりとした眠りにつき、夢の中へと戻っていったようだった。


深海ドリーム・ケン・タッカイ
ケン・タッカイ

深海ドリーム・深海マザー代表・山田里紗
深海マザー代表・山田里紗


おわりに

深海ドリームという形で初めて主催させて頂きましたが、みなさまのご協力が無ければ実現はとうてい無理でした。特に当日の準備時間と撤収時間が短かった事、これは主催者の至らぬ部分だったと認識しております。私達の知らない部分でもご迷惑をお掛けしてしまった事もあるかと思っております。今回は本当に良い体験、経験をさせて頂き、そしてなにより私達の中で楽しかったという実感がある事から、皆様も楽しめたのではないかというような気がしています。

ご協力頂きました皆様に、この場を借りてお礼とさせて頂きます。
有り難うございました。


あ、あの時アンケートをお配りするのを忘れてしまいました。

―――――――――――
深海へ行きたいですか?

□ はい  □ いいえ
―――――――――――


それではまた、次の夢の中で。




関連記事

超深海は宇宙の窓口?しんかい12000の秘話も聞いてきたよ – おち研

2014-11-01

直前夢「突然の駿河湾深海漁デッパツ!」~深海ドリーム 高井研 vs 深海マザー~

エクストリー夢・プランナー宇山亮です。
デーまであと一週間となりました。

引き続きこちらのイベントのご案内です。


深海ドリーム第一夢
高井研 vs 深海マザー「マジでキミら何なん?」「何がでございましょう」突然の深海論争勃発!



たくさんご用意していましたプラチナ会員席(普通席の事です)も、イベント接近に連れて埋まり始めて参りました。ありがとうございます。

深海論争の前に、


深海ドリーム直前企画 11月3日(月)10時出港
突然の駿河湾深海漁デッパツ!

突然の駿河湾深海漁デッパツ!
突然の駿河湾深海漁デッパツ!
を開催いたします。

この深海漁自体の主催者は他におられるのですが、それに便乗した深海ドリーム主催者三名(山田里紗宇山亮生ワカメン)が漁船に乗り込んで、深海生物を捕獲するというイベントで、そもそもはオオグソクムシやヌタウナギといった底者の深海生物を獲る漁で仕掛けも決まっている事だと思います。

彼らもとても魅力的でボクも大好きな深海生物なのですが、


謎の深海生物も獲れるハズ!


目を凝らせば見える小さな生物や、顕微鏡でしか見えないような微生物にまで目を向ければ、必ずやナニコレな生物が獲れていると思うのです。

さらに深海ドリームらしく夢をみるならば、たまたま熱水噴出孔付近に仕掛けが落とされ、インド洋にしか生息していないと言われる黒、白、龍のスケーリーフットの他に新たなスケーリーフット「紫スケーリーフット(通称ムラスケ)」が、しかも日本の駿河湾で大発見されるという事を妄想しておかなければなりません。

翌日の新聞一面にはこのような大きな見出しが出るでしょう。


自称深海家具屋が駿河湾でスケーリーフットを発見!JAMSTEC高井研氏にプレゼントか

紫スケーリーフット(ムラスケ)
紫スケーリーフット(ムラスケ)

まあ、そうなったとしても発見者はボクにはならないでしょうけども・・・。
深海生物に限らず、チムニーの破片(らしきモノ)とか、深海の海水とか、海底の泥でもなんでもとにかくおもしろそうな「なにか」が獲れたら船を降り、深海ドリーム会場でみなさんにお見せしたいと思っています。

それから深海ドリーム主催者三名による「絶対に吐いてはいけない深海漁船 feat. 酔い止め薬なし」としても、当事者だけの中では注目が高まっています。

当初はこのような経緯を経るとは思いもよりませんでしたが、深海漁へ突然の誘惑をしてくださった真の主催者軍団さま達と共にナマの深海生物を感じてきたいと思います。

天気予報は雨なので、防水対応スマホ1機、ジップロック対応スマホ1機、ジップロック対応タブレット1機を駆使して実況したいと考えてますが、ベロベロにより実況絶望の可能性もありますので、深海ドリーム当日の展示も含めてお楽しみに!

P.S. 深海生物を生きたまま持ち帰って当日まで飼育するのはボクらの現状ではとても難しい事ですので、それはあまり期待しないでください。


2014-10-30

深海ドリームはなぜ生まれたのか~深海ドリーム 高井研 vs 深海マザー~

エクストリー夢・プランナー宇山亮です。

今日は、そもそも何がどうなってなぜこのようなイベント(深海ドリーム)が企画されたのでしょうか。この争いのように見えるものはなんなのでしょうか。そういう部分に触れるようで触れないようにしてみたいと思います。

引き続きこちらのイベントのご案内です。


深海ドリーム第一夢
高井研 vs 深海マザー「マジでキミら何なん?」「何がでございましょう」突然の深海論争勃発!



タイトルをよく見ると
高井研さんが「マジでキミら何なん?」
と言い、

深海マザーが「何がでございましょう」
と言っているように見えます。

高井研さんと言えば、海洋研究においては世界でもトップクラスの海洋研究開発機構(JAMSTEC)に所属する研究者で、微生物ラブリー♡とか言いながらも、宇宙の惑星にある深海のブラックスモーカーを探すんや!という壮大な夢のあるイクスプローラーです。(一言でご紹介するのはすごく難しいです)

一方、深海マザーと言えば、家具だと認識されないような商品を売りながら家具屋とか名乗って深海グッズを売っている、まあそういうただの個人事業主、少しオサレに言えばブランドです。(一言で紹介するのはすごく簡単です)

身分的に捉えると一目瞭然で、深海ドリームイベント詳細ページにあるように「自称家具屋ふぜいがwww」とか言われるような、普通に考えればありえない事なのです。しかし高井さんは老若男女、身分問わず、エエやん?要するに、何でもエエからはよこいや!という事なのです。なのでちょっとでも深海に興味のある方は集まってください。深い海の底へ引きずり込まれます。

「何なん?」は関東では「なにそれ」で、何かしら興味があっての疑問だと思いますが、この時点で深海マザーにとっては大変光栄な事なのですが、こんなしがない家具屋に興味を持たれるとは、恐ろしいまでの好奇心を高井さんはお持ちなのだと改めて思うのでした。


さて気になる経緯や背景、なぜこうなったのか。
タイトルに「突然」とあります。これを「突然」と言わずに何を「突然」と言うのか、というぐらいの規模の「突然」です。

では突然何が起こったのか。


以下は、深海ドリームイベント詳細ページからの引用です。



「なんで、私がマニアのオフ会に!?」という遺憾な気持ちがいっぱいであるが、まあこれにはいろいろ伏線があったとご承知頂こう。ただ言えるのは、「JAMSTEC広報部は高井研の出場に最後まで難色を示した...」という歴然たる事実だ。

このように何か伏線があった、とありますが、これが「突然」の正体です。何が起きたかの秘密が隠されています。



いちおう「講演」のテイをとらないと「JAMSTECとしては認められない!!ましてやMCってどういうことよ。」(メガネがキラーンとする人)というゼッタイ表に出せない事情があることなので、私からは「本当は怖い、地球生命が深海誕生したこととマリアナ海溝が深いことの驚くべき関係性」を話すテイを装っておきます。
「メガネがキラーンとする人」とはご存じの通り(ご存じない方はこちらの伝説をお読みください)ですが、JAMSTECには、講演を専門とする職員がいないそうです。なのでこういった場合は、研究者が研究の時間を割いて講演をするそうなので、講演を依頼する際は高井さんの専門分野でしか表には出られないそうなのです。それにしても「MCってどういうことよ!?」ってなんなのでしょうか。


ここで内容の第三部を見てみましょう。



第三部:高井研vs深海マザー
「いびつな絆 深海マザー=自称家具屋の真実」

おわかりいただけましたでしょうか。
おわかりいただけませんよね。

しかも先日、偶然ですが出演者でもあります深海マザー代表山田里紗が「いびつな絆 深海マザー=自称家具屋の真実」というフレーズに関するヤバイ真実を知ってしまいました。ヤバすぎるネタに気が付くのが遅かったために、このフレーズもプレスリリースで各種メディアに拡散してしまいましたよ・・・。高井さん・・・。


結局、なにも分からずじまいだったとは思いますが、とにかく危険なネタが満載すぎるので、イベント当日は取材や収録も予定していますが、映像化した場合には「ピーーーーーーー」やモザイク編集が大量に必要な映像になってしまうかもしれません。


「ピーーーーーーーー」
が聞きたい方は、当日の密室イベント会場までお越しください。

聞ける保障はできませんが、聞けるかもしれませんよ?


2014-10-25

密林のイベント会場~深海ドリーム 高井研 vs 深海マザー~

いかがエクストリームにお過ごしでしょうか。
エクストリー夢・プランナー宇山亮です。

引き続きこちらのイベントのご案内です。


深海ドリーム第一夢
高井研 vs 深海マザー「マジでキミら何なん?」「何がでございましょう」突然の深海論争勃発!



今日はイベント会場の魅力をお伝えしたいと思いまして、ほんの少しだけ夢を見るように潜入してみたいと思います。会場の名前が少し怪しく思われるかもしれませんし、情報自体あまり存在しないのですが、、、


レンタルスペースSF
東京都世田谷区太子堂2-12-10
東急田園都市線三軒茶屋駅徒歩5分/東急世田谷線三軒茶屋駅徒歩8分




こちらは深海マザーが構える店舗やイベントスペースではなく、イベント当日だけレンタルした会場ですので「レンタルスペース」です。そのままです。「大きいグソクムシだからオオグソクムシ」みたいな名称です。間違いありません。
しかしどうしても引っかかるのは、なぜ「SF」かという部分ですが、場所を探し回っていた時にココだ!思った会場を見つけた思ったら「サイエンス・フィクション」という名前が付いていたのです。まさにイベントの主旨にふさわしく、また「ドリーム」ともニュアンスの近い、科学的妄想が飛び交おうとしているのです!とはいえ、講師の高井研さんは真面目に学術的なご講演もされますよ。
(実際のところ、たまたま「SF」って付いてて、なんの略なのか分かりません)


ボクがなぜこの会場を選んだのか、ほとんど感覚で選んだのですが、決定的な理由はこの外観が「なんかイイ」と感じたことにあります。


イベント会場外観
イベント会場外観

イベント会場入口
イベント会場入口
ボクのチャリが写ってて申し訳ないです

某一級建築士である有名建築家が設計した建物でとても良い雰囲気です。もともとはイベントスペースに使用されるようなところではなかったそうですが、この木々に囲まれて密かにたたずむ建物に「密閉された空間」を感じ、さらにそこへ辿り着くまでには果てしなく長く険しい森の道なき道を自らの足で歩いて進むという冒険的な要素があるのです。
まさに、広大な深海底の熱水噴出域に立ち並ぶ大小高低さまざまな形状をしたチムニー群の隙間を歩き、その奥のほうーーーに存在する未知なる扉を開けば、「そこはもう深海への夢の中」といったような、ボクにはそういうモノを発しているように見えた会場なのです。

会場内の風景もおもしろくて写真もご紹介したのですが、ひとまず

非公開

とさせていただきます。


この場所で、深海ファンの深海ファンによる深海ファンのためのイベント、復唱いたしますが、深海アトランティス連邦国民の深海アトランティス連邦国民による深海アトランティス連邦国民のためのイベントが

完全密室

で行われます。

ですので、当日のニコニコ生放送やUSTREAMなどのインターネット生中継はございませんので、こちらの会場に潜入成功できた方のみが、深海アトランティス連邦による暗黒の世界を堪能できることになるでしょう。
※ 生中継はありませんが、イベントの様子は映像として収録されます。

それから、重要なお知らせですが、当日会場にはJAMSTEC高井研さんをある番組のために密着取材されている某テレビ局の取材陣が数名潜入される予定です。すでにイベントのお申し込みがお済みの方々はご存じだと思いますが、これからお申し込みする方がおられましたら、チケットお申し込みの際に「取材に関するアンケート」で映り込みの可否をご回答ください。何らかの映しちゃダメよ対策をさせていただきます。

それではまた次回へとつづきます。
よい夢がみられるよう、レム睡眠をお大事に。


2014-10-24

深海アトランティス連邦大統領首席補佐官ケン・タッカイ氏の所信表明について~深海ドリーム 高井研 vs 深海マザー~

このたびは、深海アトランティス連邦に対し、テロを企てることになった深海チムニーム過激派組織一員のウヤーマ・ビン・チムチームである。(というテイを装っておきます、以下ボク)
ちなみに首謀者は、ヤマーダ・ビン・クミチョである。

事実上、「深海アトランティス連邦軍」と「深海チムニーム過激派組織」での戦争になります。とはいえ、ステルス爆撃機や生物兵器など使用せずとも、武器を捨てた歩兵同士の肉弾戦でも粉砕される、しかもどちらが敗戦するのかは目に見えている戦争なのですが、それでも戦います。負けると分かっていてもやらねばならない時があるのです!深海の男には!(というテイを装っておきます)


改めまして、このたびは、深海家具屋(インテリアブランド)であります深海マザーが、初めての企画に挑んだ結果、「深海ドリーム」というイベントが出来上がりました。が、いきなりその第一弾でdisられるという企画を自ら企画するというドMを超越したような、このようなイベントが開催されることになりました。


深海ドリーム第一夢
高井研 vs 深海マザー「マジでキミら何なん?」「何がでございましょう」突然の深海論争勃発!



出演者は、講師としてJAMSTEC 深海・地殻内生物圏研究分野分野長の高井研さん、MCとして深海マザー代表の山田里紗、どのような役か分からない深海マザー創作者の宇山亮で行います。


講師:高井研
講師:高井研

MC:山田里紗
MC:山田里紗

宇山亮
宇山亮


このイベントの何が面白いのか。なんの迷いもなく参加を申し込まれた方も多い(有り難い事です)のですが、そのような方から見れば公開処刑現場の光景が容易に想像できてしまうことでしょう。イベント当日までの期間中にただお待ちいただくのもつまらないと思いますので、よく分からない方達の為にもこのイベントの細かな魅力をこのブログでご紹介していこうと思いますので、今回はまず、先日のケン・タッカイ氏の所信表明演説について触れてみましょう。
(もちろんこれは原稿そのままであり、深海マザーによる捏造は一切ございません)



えーと、突然、「マジでキミら何なん?」「何がでございましょう」突然の深海論争勃発!とかいうイベントに電撃参戦することになった深海アトランティス連邦大統領首席補佐官のケン・タッカイである。
「マジでキミら何なん?」。ボクがケン・タッカイ氏と初めて会話をした時に聞かれた質問なのですが、一年が経った今でもまだ分からないそうです。深海や宇宙に留まらず、好奇心旺盛なタッカイ氏は、こんなところにまで興味を持つ凄まじき探求心の持ち主、イクスプローラーなのです。

そもそも「深海アトランティス連邦大統領首席補佐官」とはなんでしょうか。調査(深海マザー調べ)によれば、過去に「全人類の深海探査独立記念日」という革命的な日があったらしいです。どうやらその日にタッカイ氏は大統領首席補佐官に就任されたとみられます。そして当然の事ながら大統領も存在します。「アサヒルバンイチニチサンカイヒコ・タイラー」という謎の人物が裏で闇の組織を動かしているとの事ですが、その証拠となる問題のこちらの記事をご覧ください。

リンク先のメニュー「みどころ」のページの少し下の方です。
諸君。おはよう。私は深海アトランティス連邦大統領首席補佐官のケン・タッカイである・・・・・・

すべてがお分かり頂けたかと思う次第でございます。



「なんで、私が東大に!?」by四谷学院風に言えば、「なんで、私がマニアのオフ会に!?」という遺憾な気持ちがいっぱいであるが、まあこれにはいろいろ伏線があったとご承知頂こう。ただ言えるのは、「JAMSTEC広報部は高井研の出場に最後まで難色を示した...」という歴然たる事実だ。なので、当日くるのはケン・タッカイである。
四谷学院は画像検索すれば一目でお分かり頂けると思いますが、パク・・・げふげふ、一応「風」だということだそうです。恐らく会場内は深海ファン、それもかなりの深煎りコーヒーな面々で満たされ、まさにオフ会以上のオフ會になると思われますが、そのような状況を作るという事はそれなりに問題も多かったこととボクは思っていますので、JAMSTECの内部事情はよく分かりませんが、タッカイ氏はそれ相当な苦労をされたと思われます。



しかし、主催者側は深海論争!とか言っているわけだが、一体何を論争するというのか?彼らは「論争」という単語の意味を知っているのだろうか?「論争」とは学術の世界では、「論」と「論」とを競わせて「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」なハッピーエンドに持って行ったり、「のっぴきならない血で血を洗う争い」に発展したりするものなのだ。「仮説のデパート」「アイデアの深海熱水孔」「七色のはったり」「内容は全く分かりませんし覚えていませんが、お話しがとても面白かったのは覚えています!!!」(話を聞きに来た某プレス関係者)と呼ばれる私が、「論」を常時100や200持ち合わせているのは当然として、家具屋ふぜいの、しかも「自称www」付きの家具屋ふぜいが「論」など持ち合わせているのかね。「分をわきまえないかんよ。たかが自称家具屋の分際で」byナベツネのセリフを思い出すわー。なつかしいわー。同感やわー。ナベツネの気持ち分かるわー。まあ彼らが何の論でくるのかわからないが、とりあえず、いちおう「講演」のテイをとらないと「JAMSTECとしては認められない!!ましてやMCってどういうことよ。」(メガネがキラーンとする人)というゼッタイ表に出せない事情があることなので、私からは「本当は怖い、地球生命が深海誕生したこととマリアナ海溝が深いことの驚くべき関係性」を話すテイを装っておきます。
タイトルに不用意に「論争」というワードを入れてしまったことで「家具屋」に「ふぜい」や「www」が乗ってしまう隙を与えてしまったようで少し後悔したのですが(笑)、一つ引っかかる点があります。そうです。アイデアが噴き出し続けて止まらないとう表現で使われている「アイデアの深海熱水孔」という部分です。

深海熱水孔はいずれ枯れる

という話を聞いた事があります。
麻雀で言えば「ロン!」です。

しかし個人的に、「内容は全く分かりませんし覚えていませんが、お話しがとても面白かったのは覚えています!!!」という部分がまさにボクの知っているタッカイ氏を表していると思います。何度かご講演を聞いたことがありますが、本当にこんな感じで、本当にこれに尽きると言えます。本当にみなさんに、特にまだ聞いた事のない方にはぜひともこれを味わって頂きたいです。

キラーン的な部分に関しては本当にアブナイお話しですのでこの辺で失礼いたします。。。



さらにプラチナ会員様限定に、みんな思っているけどなかなか直接聞けなかったであろう「マジでキミら何なん?」に答えるべく、小説『いびつな絆 深海マザー=自称家具屋の真実』の前半を、ダイヤモンド会員様には、小説『いびつな絆 深海マザー=自称家具屋の真実』をすべてお話ししたいと思います。
この小説の内容はボクもまったく想像がつきません。真実もなにも、そもそも真実しか発信した事がないのです。ただ一つ言えるのは、普段から発している事が「真実」です。

でも聞いてみたいです(笑)

ご講演主旨を書いて頂きました高井研さん、有り難うございました。
とても嬉しかったです。


いかがでしたでしょうか。
少し興味レベルが上がった事と思います。
まだまだいろいろなネタで記事を書き続けようと思いますので、良かったら読んでください。

この時点で既に参加したくなっちゃった方はコチラからお申し込みできますので、主催者一同お待ちしております。(そんなにコワイ会ではありませんのでご安心ください)


2014-08-10

さらばチムニー、ようこそチムニー

三つのチムニーを破壊した。

何かの度に創って、その何かが終わっても無駄に部屋に溜め込んでいた大きめのチムニーを三つまとめて破壊した。破壊作業は初めてだった。暑かったせいもあったのか、上半身裸になってめちゃくちゃに突起をもぎ取り続けた。終わった頃には創る時とはまた違った爽快感を感じていた。

モノに対して思い出や情などがあってずっと壊すのをためらっていた部分もあったが、そういうのは必ずしも形として残す必要はない。古い熱水の噴出を止め、新しい熱水を噴かせる方が重要だと感じて思い立ったのかもしれない。

チムニーを創り、破壊まで関われた事はとても光栄である。ずっと憧れていた「チムニークリエイター」という称号をいただいてみようかという自覚が芽生え、その本質にも少し近づけたのかもしれない。


さらばチムニー

ようこそチムニー




「しんかい-深きものども-」出展チムニー
「しんかい-深きものども-」出展チムニー
(熱水噴出孔以外の深海生物が見えたら目を閉じて闇にする)
高さ1メートル


「ジュンク堂書店池袋本店7F」展示チムニー
「ジュンク堂書店池袋本店7F」展示チムニー
高さ1.5メートル


「なまけっと」出展チムニー椅子
「なまけっと」出展チムニー椅子
高さ2メートル


三つのチムニーを破壊して創られたチムニー
三つのチムニーを破壊して創られたチムニー




2014-04-13

表と裏の間っこ -深海ラボカフェ終焉-


みんなで何かできたらイイねェ・・・。 -深海マザー代表


当時(現在も)、SNSに依存しきっていたボクは、このぼやきを聞くと同時に、ある情報が目に入り、それに対して条件反射的に質問を投げつけていた。

JAMSTEC一般公開の舞台で、それは可能でしょうか

その時はなんだか、いろんな人達が深海を表現、というか自己を表に出したがっているように見えていた。この微小集団のことはゾクに深海クラスと呼ばれている。勘違いだとしても、そんな風に感じた景色を黙って見ていることは出来なかった。すると、正面玄関があるからそこから入ってみたら、という回答を頂けた。それはそうだ。窓から土足で侵入しようとしたことをお詫びします。

すかさず代表が特攻隊長として、鬼門とも言えるJAMSTEC広報課の扉を叩く。もう叩いただけでその辺から突き出たヘビメタチックなトゲで負傷しそうなイメージがある。しかしそれとは裏腹に・・・というのを期待していたのだが、やはりイメージに近いご回答を頂いてガクブルと震え上がった。ご担当はもちろんメガネが光ることでお馴染みのヨシザワさんである。

おもしろそうですねぇ、しんかいレポーターの発表という位置づけなら可能かもしれません。しかし私が想像できてしまうような表現を超えたいですねぇ......キラン


それから一ヶ月半ぐらいの間手紙が届くことは無く、二人でやっと見つけた雪山の洞穴の中を覗き込み、熊がいない事を確認して潜り込み、しばらく震えながら過ごすことになった。


その頃、ボクらはなまけっとというイベントに出させてもらって、その成果として得た重量挙げのダンベルのように重たいモノを背負いながらも、なんとか上手く下ろそうともがいていた。売り物に関しては今までの創り方を一新し、もうちょっと製品らしくしようではないかということで、イベントで得たお金を全額投資して立ち上がろうとしていたのであった。

とぼとぼ歩いていると突然効果音が流れ、海洋の巨人(金棒装備)が現れた。

東急ハンズ渋谷店とJAMSTECでコラボカフェをやります。期間は1ヶ月半程度ですが、よろしければ物販の方で深海マザーさんをご紹介させて頂きます

ハ、ハハハ、ハンズですか、し、渋谷ですか、ええ、ありがとうございます、ぜひよろしくお願いいたします!
想像していたモノとは大きく異なる企画を伝えられ、ここ最近身近に感じてしまっていたJAMSTECという組織の大きさに、「もっと離れて見てみろオラッ」と金棒でレフト前へ引っ張られ、フェンスに直撃して倒れこんだ。そのままぼんやりとした視界でホームベース方向を眺めると、ちょうど巨人(ジャイアンツではない)が走りこんでホームインした様子が見え、放り投げられた金棒はまだ宙を舞っていた。その後改めてその大きさに気づかされたのだった。

それがこの企画。

2月22日~4月6日
JAMSTEC×東急ハンズ渋谷店

深海ラボカフェ

「人類に残されたフロンティア」それは・・・深海 JAMSTEC×東急ハンズ渋谷店『深海ラボカフェ』
「深海ラボカフェ」東急ハンズ×JAMSTEC

ここで、実はどうでも良さそうでどうでも良くないことが浮上している。JAMSTECと東急ハンズ渋谷店のコラボ企画なのだが、「●●●●×●●●●」の書き方についてボクらの立場上、実はかなり悩ましい部分なのである。お二方は謙遜の意味か、それぞれご自身を後ろに書いているのだが、ボクらがこの順番を決めるということは、なんか贔屓目で見てるんじゃないか、どうせそっちの見方なんでしょ、結局どっちなんだよこのお調子モンが!みたいに思われないだろうかなどと、要らぬ心配をしてしまって地球の物質大循環のような状態に陥ってしまう。
記憶では、最初にお話したのは自信を持ってJAMSTECと言えるので、ボクは先にJAMSTECを書くことにしているが、代表はその辺は何も気にしてなさそうだ。
ホントどうでも良さそうでどうでも良くないことでしょ?




第零弾 初顔合わせ

東急ハンズ渋谷店のエレベーターを7階まで上がる。降りた先にはこじゃれたカフェがあり、HINT7という空間内にSCIENCEの文字や、科学をモチーフとした商品がズラーッと並んでいたので、ここが舞台かあ、よろしくお願いします、と入場して企画の打ち合わせに参加させて頂いた。フロア担当の方はアヤちゃん(仮名)というベテランの女性で、現時点では深海のことはほぼ何も知らず、これから勉強していくといった事情の方だった。ボクらのような得体も知れず、分かりにくいだろうと思われる人種だというにも関わらず、とても熱心に話を聞いてくれて、理解しようと必死に努力されているのが伺えたので、ボクも負けじと理解してもらおうと努力した。

もうお一方、ごあいさつに来らた方がいた。見るからにそういうのが好きそうな方で、目をキラキラさせながら「スケーリーフットいいよね~!鉄なんだゼこれオレ一番好きだよこれカッコイイよおぉ」と言って、ボクらの作品であるスケーリーフットのマグネットスケおじさんTシャツを買うと断言してくれた。聞くところによれば、この企画のためにアヤちゃんと二人でJAMSTECに乗り込んだらしく、そこで何を見たのかは分からないが、口を揃えてこれからJAMSTEC高井研さんの ”微生物ハンター、深海を行く” を読んでがんばります!と言ってバイタリティーを溢れさせていた。熱心な読者さんはご存知だと思うが、この本は学術書ではなく、青春期である・・・。しかし内容はどうであれ、そういった影響を与え続ける高井さんの存在感、偉大さを目の当たりにすることが出来た。もちろん後にこの二人は熱烈な高井ファンとなる。
こんな方達がこのフロアにおられると思ったら、なんだか希望と共にワクワクしてきた。後に本当にスケおじさんTシャツを買って、しかも制服の上から着用して毎日その姿(ベルトには黒スケが貼り付いている)で仕事をされてたので、スケおじマネージャー(仮名)とお呼びすることにした。

深海クラスのことも踏まえ、たくさんの制限の中で自分たちの出来ることは何なのかという部分を考えながら時間を過ごした。
途中からヨシザワさんも加わり、反射的に少し縮こまったが、気を取り直して展示などの部分もやってみたいという意志も示してみた。しかし、あまり出しゃばってもご迷惑をかけてしまうだろうと思い、ダメモトアイデアを出してみつつも、「店名は超臨界カフェなどいかがでしょうか...」に対しての「それは物理用語ですねキラン」でトドメを差され、展示はJAMSTEC、一部の物販商品の提供を深海マザーという形で担当させて頂くということになった。

もちろん物販という任務は他の深海グッズメーカーさんたちも含めての話である。いわゆるCawaii系のグッズがほとんどだということで、アヤちゃんがボクらに求めてきたモノは、Cawaikunai系グッズ、要するに黒さ、鋭さ、キモさ、貧しさ、そういった深海のイメージに近いリアルさを持ったグッズで、バリエーションも豊富であり、しかも手作りの作品だった。それらをメインとなるCawaii系グッズの裏側に置きたいという濃厚なヴィジョンがあり、その目に広がる視界にボクらを入れてくれたという事実は本当に嬉しい事だったが、実際に商品を陳列するスペースに案内され、ここを埋めて欲しいのだと言われたので見てみると、


    ろ        ぎ    


幅2メートルぐらいの棚が二段になっていて、ここに高密度で商品を並べなくてはならない、不必要にポップや装飾で誤魔化して隙間を埋めることなんて許されない。ここは渋谷、一等地、目先には松濤、財閥ウヨウヨ、ショバ代ハンパない、監視カメラで見られてる、売り上げられなきゃ抹消される、ボクら二人じゃ絶対無理、誰か助けてヘルプアス!といった妄想が頭の輪郭に沿って電気が走るように一瞬で抜けていった気がした。

そうとなれば、深海系の作家を数人しか知らないボクらにとって、協力を求められる人は限られていた。
  1. 深海系作家
  2. Cawaikunai系(一般的目線で)
  3. ある程度以上の販売体制有り
  4. 打ち合わせに参加できる
  5. 少しでも知ってる人
この条件に一致する作家を二組だけ独断と偏見で選ばせて頂き、アヤちゃんに作品の写真を見てもらったら、とても気に入って頂けたようだったので一安心。
一人目は深海陶芸家であるメンダコ屋の有麒堂さん。陶器だけあって高級感があり、ギフトなどにも利用されそうなので、バリエーションの一つとしてはもってこいだという。
二人目は深海デザイナーを目指し、深海生物を家紋で表現した「深海ノ紋」を展開する佐竹さん。ファスナーアクセサリーやステッカーなど2Dベースの比較的安価な商品が多く、デザインもCawaii(おや?)ので売れ筋になるだろうという。
そしてボクら、深海家具屋である深海マザー。世界観は出したいですねふふふ...。どうやらあまりコメントが見つからないらしかったので、こちらもフッ...フフフ...といった会話となった。

この三組がチームで作品を提供し、全商品の1/3程度を占めなければならない。打ち合わせをしたが、この期間で何を何個作れば良いのかという部分に全く結論が出ないので、アヤちゃんにも相談を持ちかけたが、「深海に関しては全くの未知数なので、参考になるモノがありませんよね~♪」ということで、とりあえず最初はある程度ドバッと納品して二週間ぐらい様子を見てみましょうということになった。ドバッて数字じゃないな・・・。
実はこのような形で複数の深海系作家が作品を並べること事態が初めてのことで、場所もメジャーデビュー的要素が強い。何をどうしたら良いのか分からないことだらけだった。色んな意味での ”試作” になるということを薄々感じながら、行く末をみんな楽しみに解散した。

結局、モノを売らなければならない、東急ハンズ渋谷店に売り上げを、という使命から、他のジャンルの音楽やイラストなどで活躍してみたかった方たちをお誘いすることができず、今でも少しだけ心残りがあるのだが、ヨシザワさんが闇の中で見た光はそんなことではなかったのだと、最後に知ることになる。


深海系クリエイター告知画像
三組の告知画像
デザイン:佐竹




第一弾 かもしたぞー!深海生まれの日本酒ができました 3/7-19:00

1ヶ月半のことをダラダラと書ききれるわけもないので、毎週ではないがJAMSTECによるお仕事お疲れさんトラップ金曜日は深海ナイト!JAMSTEC特別トークイベント&ワークショップが全四回に渡って仕掛けられたので、それにスポットを当てて書きたいと思う。
注目の集まる深海ラボカフェ初のイベントは、日本酒の試飲である。

水深1200メートルの深海底からエタノールを生産する酵母株を発見し、この深海酵母を産業利用しようと日本酒作りに取り組み、出来上がった深海酒を振舞ってくれるという、酒好きには顔が綻ぶような良心的でありがたい企画である。
ボクは強くはないが、酒が好きだ。普段は酒がメタンのように湧いたり、熱水のように噴き出さない限りは飲めない環境下に置かれているので、このような機会は正にボクにとっての熱水噴出そのものだった。

夜の時間が近づくと、やはり噂を聞きつけた人達がゾロゾロと集まってきた。皆それぞれの飢えを凌ぐため、乾きを潤すためにやってきた。ヨシザワさんたち広報課も、どれどれと見学(仕事)に来られていた。事前予約でテーブル席と椅子席の選択があり、ボクと代表は椅子席を取っていたので着席した。

しんかい6500のパイロットが着用する戦闘服(イベント用)を着たアヤちゃんによる仕切りで開かれた。講師は北見工業大学の小西正朗さん。JAMSTEC研究員として、乙な酒の呑み方、深海酒に良く合う深海魚などの旨い肴を紹介してくれる・・・と思っていたら違った。いえイイんです。当然です。
要するに、この発見された深海酵母は日本酒のみならず、焼酎、ビール、ワインなどの酒類、パンや味噌などにも利用できる可能性があるため、企業や自治体に関心を持って頂いて商品を開発したいので、タダで飲ませるから感想くれ、という主旨だった。
解説が始まると、皆(ボクだけかも)ソワソワし出した。きっと早く飲みたいのだろう、酒を。わかるよなぁ、酒よ。熱心に解説してくれている小西さんに失礼だろうと思いながらも、酒瓶はどこにあるんだと探したりしながらひたすら酒を待ち続けた。
しかし、意外にも早くその時は訪れた。

小さな紙コップに入った酒が2杯配られた。A、Bと書いてある。比較しても見た目も量も変わらないが、2杯も飲ませてくれるのか!しかも結構多めに入ってるぞ!と内心で喜びに駆られた。確認すると本当に2杯とも飲んで良いらしい。
まずはAから頂こうと香りを嗅いでみた。良い香りだ。飲んでみると、うんウマい。
次はBの香りを・・・と思ったら既に香りの違いがあって強さを感じた。飲んでみると、うんウマい。こっちの方がコクがあり、後味も良かった。度数も高そうだ。
聞くとBの方は原酒だそうで、酵母が生きているのだ。深海生物を今、飲んでいるのだ。体に取り込まれていくのを感じながら隣を見ると、代表が酒に手をつけてない。試飲イベントだというのに車で来ていたのだった。まったく、もったいない。ボクが2杯とも飲んで差し上げた。この4杯目を飲んだ時点からボクのモウロウとした時間が流れ始めた。

キク・・・

酔っ払ってきた。あまり酒が強くはないとはいえ、自分のメーターは知っている。なのにメーターの針がビンビン左右に大きく振り乱れ、誤作動を起こしている。こ、これが深海酵母のチカラか・・・!取り込んだと思い込んだ深海酵母に実は寄生されてしまったのか・・・!その時、同じく4杯目を飲んだ人がいるという内線のようなモノが入ってきた。大阪からこのイベントのために来られた、のか、何かの強制力が働いたのか詳しくは分からないが、その方は女性イラストレーターだった。遠くから顔をチラ見すると、何も変わっていない・・・。対するボクの顔はたぶん、せっかく来たからもったいないので長時間温泉に浸かりっ放しの人のようだったと思う。ふわふわと気持ちが良くなっていたその時、

おかわりいかがでしょうか

大量の紙コップが置かれているオボンを差し出された。こんなにあるのか・・・どんだけあるんだろう・・・全部は飲めないぞ・・・と思いながらも手を伸ばして2杯を取って飲んだ。すると気持ち良すぎてモウロウとしてきたではないか。でもとても気分がイイ。

そろそろアンケートをお願いします

そ、そうだよね、飲んだからにはアンケートだよね、と用紙をざっと見渡すと、長い・・・そして細かい・・・AとBに対して色味だの酸味だの風味だのこんなにたくさん項目があるのか・・・文字が熱水ホワイトスモーカーのように揺らめいている中、なんとか答え切ることができた(と思う)。
ちょと水を飲もうと思い席から立ち上ると、振り返ればヤツがいた。

おかわりいかがでしょうか

・・・・・・。
余っている。酒が大量に余っているのだ。出どころはどこだと瓶を探しても見つからない。準備されている酒の量が完全におかしい。東急ハンズ全フロアにでも配るつもりだろうか。別に飲まなくてはいけないという義務はないのだが、もったいなくて飲んでしまうボクの心理をうまく突いているのか。今度は両手を駆使して4杯も掴み取ってしまった。それがもうAなのかBなのかも分からずにウマいウマいと飲みながら、おそらくは味なんか分かってないだろうが、通常はガムシロやミルクなどが置いてあるカウンターのような場所へ一人で移動して立ち飲みを始めていた。ここからはカフェ内が良く見渡せる。皆それぞれ立ち飲みパーティーのように話し込んで楽しんでいる様子が伺えた。
深海クラスも実は、互いが顔を知らない組み合わせがたくさんあった。ネット上では仲の良い二人が席を並べて座っているが、お互いが他人だと思っている、という光景がおもしろかったが、こういう機会に知れる事になって良かったと思っている。

うんうんと頷きながら、自分が企画した訳でも何でもないイベントに満足感を得ていたら、ヨシザワさんに話しかけられ、「ま・さ・か酔っ払う人はいないよねと広報課内で話してましたが、酔っ払うとはさすがです」と言ってエレベーターの奥へと消えていった。いや、ヤツがですね・・・という言い訳を残すことは叶わなかった。
スケおじマネージャーもなんかニヤニヤしながら歩いてたので、飲まれたのですか?と聞くと、「いやぁ仕事中だからダメなんですよ、たったの2杯しか飲んでない」という素晴らしいお返事を聞いて、名残惜しくも薄暗くなったカフェを後にした。

まだこの酒は現時点では商品化に至っていない。本当に旨くてイイ酒だと感じたので、もし発売されることになったらボクは買って飲みたいところだが、いかんせん湧いたり噴いたりすることを祈るのみなので、希望を捨てずに待ち続けたいと思う。




第二弾 アナザーワールドに迫る!JAMSTEC注目の深海生物 3/14-19:00

おそらくは、四回の中で最も注目が集まる、というか、深海クラスが集まり、塩分濃度が濃くなるであろうイベント、JAMSTECのスター研究員の、シンカイジン(以下動画参照)こと、必殺飼育人(命名者不明)こと、ゴエモンコシオリエビ芸人(上司命名)こと、深海クラスの担任(深海クラス命名)こと、和辻智郎さん(命名者不明)による深海生物ゴエモンコシオリエビについてのお話である。




和辻さんは世界でも唯一ゴエモンコシオリエビの長期飼育に成功したことで有名で、愛称の多さからその人気振りも伺える。そんな方が間近でその愛について語ってくれるのはとても貴重なことであり、深海ラボカフェの期間中に永延とゴエモンコシオリエビの生中継がされたり、深海クラスが事前にざわめいていたり、東急ハンズ渋谷店へ問い合わせが殺到したり、立ち見客の入場制限も検討されていたりと、たくさんの人が観覧に来ることが予想されていた。

この日の為にこんなモノまで作られた。作者は物販にも絡んでいる佐竹さん。この方はこういうのを作るのが得意で寝なくてもやる。この日の前日もかなり遅くまで取り組んでいたようだ。これはボクのために作ってくれた学生証であなたは代表に死ぬまでこき使われることをここに証明するというモノでもある。当日それぞれ個々のデザインのモノが深海クラス各個人に配られ、裏番長とも呼べる砂女さん(仮名)が偶然空のネックストラップをたくさん持ち合わせていた事により、これを首からぶら下げて厨二を証明するネックストラップが完成することになる。

アトランティス国立中学校学生証
アトランティス国立中学校学生証(非売品)

ここまでは深海クラス同士楽しくやってるだけなので微笑ましいのだが、これが恐ろしい方向へと発展した。なんと和辻さんとヨシザワさんの分までこの厨二ネックストラップを作るというのだ。佐竹さんもきっと寝不足のあまりテンションがおかしくなっていて無意識に作り上げてしまったのだと思うが、それにしても絶対に裏で誰かの指示があり、陰謀があったに違いない。画像なども出所不明のモノが使われており、とても表には出せないような代物であった。

暗くなると、鼻だけを頼りにより深海らしい方向へとどこからともなく集まってくる。それぞれが事前予約で思い思いの観覧の仕方を選び、最も楽しめる方法を模索していたことだろう。ボクらはまた椅子席を選んでいた。
今日はアヤちゃんが心なしか張り切っているように見える。お客さんが見込めるとの予想で気合を入れていたのだろう。するとその影に和辻さんが座られていた。ご挨拶をすると緊張感はありながらもすごく落ち着いてるように見えた。大きな手にはかわいいメンダコ・ラテ(後術)が入ったカップを持っていた。その姿にあまりにも違和感を感じたので、すかさず和辻さんがメンダコとはまたおもしろいですねと笑いながら言ってみた。するとゴエモンコシオリエビ・ラテは無いのかと聞いたら無いと言われたのでしょうがない・・・と軽く落胆した様子を見せながら熱いラテをすすっていた。隣で聞いていたアヤちゃんは、はっ!やってしまった!と言わんばかりの表情を見せて、ゴエモンコシオリエビ・ラテもご用意しておけば良かったです・・・!と申し訳なさそうに目を×にした。やはり張り切っている。その後はひゃひゃひゃひゃひゃといった楽しい雰囲気になっていった。

ここで代表があることを切り出した。顔出しパネルから和辻さんと一緒に顔を出そう!企画である。この顔出しパネル(後術)は顔を出す穴が二つあるのだが、一人で出すのが恥ずかしい、虚しい、写真撮ってくれる人がいない、などいろいろな問題があって、深海クラスは出したい気持ちを抑えながら敬遠していた部分があった。事前に砂女さんから「和辻さんと二人なら顔出せるしぃ~ホワイトデーだしぃ~」という希望を聞いていたので、代表が代表で和辻さんにそのようなお願いをしてみた。すると「えぇ~~~?ヤァダなあ~~~~~」と照れ笑いしながらOKを頂くことが出来たので、イベント終わりに実行されることになった。

みなそれぞれのコックピットに乗り込んで、今か今かと和辻さんの動きを見守る。たくさんのお客さんが集まると予想されていたので、さぞ立ち見の人が多いことだろう、どんな人達が集まったのかな、外国人もいるだろうか、と席から辺りを見渡すと、


ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥ。 。  。   。


立ってる人がほぼいない。砂被り席は満席だが、大金星を挙げた時に遠くから座布団を投げる人がいない。逆にこれは混むと予想された為にあきらめた人が多いのではないか。もしくはゴエモンコシオリエビなんか画面で見られるからイイやとか、どうせダイオウグソクムシの話はないんでしょ?とか、何かがあったに違いない、そんなマイナーなハズはない・・・とか色々考えた挙句、一人で無駄に虚しくなっていた。

ところで話は既に始まっていた。最初は少し難しい話をしてて緊張気味だった和辻さんも、ゴエモンコシオリエビの話になってくると、だんだん楽しくなってきてしまったらしくノリノリで話し続けていた。実際にとてもおもしろいお話がいくつも聞けてとても楽しかったのだが、

完全非公開 ドンッ

JAMSTECによる指令なので、残念ながら内容に関しては何もお伝えすることができないのだが、質問タイムスタート時、手の上がらない時間帯に和辻さんから深海マザーさん、何かありませんか?と名指しされて隣に座っている代表に助けを求めたが、シカトされたということだけはお伝えすることができる。”代表” とは何だろうか、今一度良く考えてみる事にしよう。

ここでついにアレを渡す時がきた。厨二ネックストラップである。渡す役割を果たすのは少し遅れてやって来た佐竹さんだ。ビクついている佐竹さんの様子を察知した代表はフォローするどころか、どんどんプレッシャーを掛けていき、オラオラァと急かしていた。なんて酷い虐めなのだろうか・・・。耐え兼ねた佐竹さんはついに切り出した。あ、あの・・・もにょもにょ・・・これ作ったので、あの・・・と和辻さんに手渡した。ちなみに深海クラスの担任の先生という設定である。恐る恐る様子を伺うと喜んで頂けたみたいでみんな安堵の表情を浮かべていた。本当に中学二年生のようであり、素晴らしい事だと思った。
危険な事をしようとしていたのは佐竹さんだけではなかった。この世には恐ろしい壁紙が存在するもので、砂女さんが独自に開発したとされる、スケーリーフット&和辻さん&●●さんを融合させたアートを和辻さんご本人に見せたいというのだ。ボクはそれがどんなモノだか既に知っていたので、さすがにヤバイと思ったが、止める事はしなかった。なぜならば、ボクも見て欲しかったから。どんな画像なのかはここで紹介する事ができないが、「砂女ですっ!」といってあっさりそれを公開し、「ボクには肖像権がないのかぁ~!!」というやりとりの結果として、一つ確実なのは和辻さんが喜ばれていたことである。

厨二ネックストラップは深海クラス各個人へ手渡され、最後のヨシザワさんへ渡す時が来た。ヨシザワさんは深海クラス副担任という設定だ。しかし佐竹さんの挙動がおかしい。その後ろで代表がニヤニヤ楽しそうにしているではないか。一体何をしているんだ・・・&#&%$¥@%#&@&#&%$¥@%#&・・・・・・。あまりの凄まじいやり取りだったため、公開は控えたいと思う。しかしながらヨシザワさんからは喜び、楽しみの表情が伺えた。

最後に、無理やりお願いするという形になってしまったかもしれないが、とてもサービス精神旺盛な和辻さんによるファンサービス、チューブワーム顔出しパネルで記念撮影大会が開催された。和辻さんは顔をはめっ放しで、隣だけが回転よくすり替わっていく。背の高い和辻さんはどういうわけか低い方を陣取られたため、背の低い深海系女子たちは首を伸ばしたりアゴを上げてみたりと、必死に背伸びをしながら撮影に挑むというパネル裏側での盛り上がりで幕を下ろした。

(非公開や伏字ばかりで申し訳ないです)

チューブワーム顔出しパネル記念撮影(左:和辻さん 右:代表)
顔出しパネル記念撮影
(左:和辻さん 右:代表)




ちょっと チムニーブレイク

言うまでもないが、深海ラボカフェとは、カフェ、喫茶店であり、飲食ができる空間である。故に、当然ながら深海的なメニューが存在する。フードではカレー、ドリンクではカフェ・ラテで表現されることになった。

まずはカレーだが海底の熱水噴出孔を表現した深海カレー(熱水噴出孔ジオラマカレー)」、通称チムカレーである(誰も呼んでない)。これはライスをチムニーに見立てて高く盛り、深海らしく黒カレーを採用。オハラエビかリミカリスだと思うが、エビの群集はサクラエビで、ユノハナガニだとは思うが、カニの群集をアカイシガニで代用し、カニに関しては基本3匹のところ、トッピングシステムを採用して最大20カニまで自分で養殖し、そして食べるという、この手のフードにとってはかなりのチャレンジだったのではないだろうか。さらに、地味すぎてあまりスポットは当たらなかったが、粉チーズがパラパラと掛かっている。これはなんと熱水噴出孔にびっしりと生息するバクテリアマットを表現したモノなのだ!ここまでやれば十分お金を払うに値するメニューだと個人的には思った。
ちなみにこのカレーの考案者はアヤちゃんであり、短期間で相当勉強されたのだなあと、何の専門家でもないくせに先生ぶったボクはとても関心したのだった。

以下はそのチムカレーの写真だが、少しでも宣伝をと思ってバリエーション作りに手を尽くしたのは良かったとは思うが、肝心の素の姿の写真を撮っていないことに気付き、今とても後悔している。


ライス大盛り+20カニ逃げ出しチムカレー
ライス大盛り+20カニ逃げ出しチムカレー

おもむろにチムニーをなぎ倒すとエビに呪われるカレー
おもむろにチムニーをなぎ倒すとエビに呪われるカレー

チムチムニーカレー
チムチムニーカレー


続いてカフェ・ラテはどんなモノかというと、ホットのラテにラテアートが仕込まれている。メンダコバージョンとダイオウイカバージョンがあり、短く言えば軟体ラテである。これは切り絵アーティストのkilligraph(キリグラフ)さんによる切り絵で作られた型にココアパウダーを振るという手法のモノだ。
いつもカフェ内が暑かったので、ボクはアイス・ラテばかり頼んでいたが、これに関しても宣伝の手を緩めたくなかった。


しんかい6500スラープガンでダイオウイカを捕獲ラテ
しんかい6500スラープガンでダイオウイカを捕獲ラテ
(口の中を火傷)

メンダコがふわりと浮いた後、逆さまに落下ラテ
メンダコがふわりと浮いた後、逆さまに落下ラテ


きっとたくさんの人が真似してくれたことだろう、と思い込めれば幸いです。




第三弾 博士の深海おりがみ教室 3/28-19:00

おりがみ、おりがみねぇ、きっと将来科学者になりたい少年や、保母さんになりたい少女がたくさん来て、先生に教わりながら純粋に素直に一生懸命折り続けるといったほんわかした場なのだろう。そう信じきっていたので、事前予約はしなかった。ちなみにボクらはおりがみを折った経験があまりない。

ビルの影が薄くなってくると、それを時計代わりにビルを這い上がる。途中で落下した人もいるかもしれないが、ボクらは開始時間よりも少し遅れて登頂した。既にお客さんたちは真剣な眼差しでおりがみを折っていた。子供たちは楽しくやってるかな?と席を見渡すと、

大人げない

大人ばかりが汗を噴き拭きしんかい6500のおりがみを真顔で折り続けてるではないか。ちょうど完成してドヤ顔で作品を自分の前に置いて自己満足に浸ったり、写真を撮ったりしている人もいた。見ると結構簡単そうな作りだったので、モノが何であれ作ることはイイよね、と思いながら微笑ましく遠くから眺めていた。

講師はJAMSTEC研究員の松田景吾さんと、渡部裕美さんだった。当然の如くヨシザワさんも来られていたのでご挨拶をすると、席も空いてますし、おりがみも余ってますので、次のスケーリーフットからご一緒に折られてくださいと端っこの席へ案内してくれた。しかし前回差し上げた厨二ネックストラップを下げていない。ボクらは今日も下げてますよと前へ差し出すと、ハッとして忘れてしまいました・・・と申し訳なさそうに苦笑いした。いえ、イイんですイイんです。
席の隣には、物販でも絡んでいる有麒堂さんと、おや?ピカゴロドンさん(仮名)もおられるではないか。彼女は水族館が大好きで、全国水族館巡りゃーで有名である。神奈川の水族館に来たついでもあって、遠方からはるばるおりがみを折りに来られたようだ。

ヨシザワさんからスケーリーフットのおりがみと折り方手順書が渡された。深海マザーさんは(非公式なので)しんかい6500の方はいりませんよね?キランと不要とも思えるお言葉を頂きつつも、両方をもらって折り始めることになったのだが、折り方手順書にザッと目を通した瞬間、ルービックキューブの達人が10秒ぐらいでカシャカシャカシャンッと完成させるように頭の中で計算が成され、あることを悟った。

このおりがみ、おりがみじゃない

なんと48手順もある。この一枚の紙を48回も折らないとスケーリーフットには成り得ない。山折りと谷折りが良く分からない。さっきのしんかい6500のヤツも見た感じ簡単そうな作りだったけどこんなに難しいモノだったのか、とそっちの手順書も見てみると、しんかい6500リアルバージョンとある。先に皆が折っていたのは簡易バージョンだったらしい。さっき見たドヤ顔をしてた人の心中や如何に。

しかし折り始めると意外とサクサク折れていくものだ。あぁ、結構イケるかも・・・と調子に乗って折るスピードも上げていく。しかし折れば折るほど紙は小さくなっていき、複雑さを増していく。ついには折り方が全く分からなくなってしまい煮詰まってしまった。松田さんが手順通りに皆に説明しているが、ボクらには背を向ける位置におられるのでよく見えない。するとピカゴロドンさんのスケーリーフットが目に留まった。かなり進んでいるではないか。これは教えてもらうに限る。教えてもらおう。すいません・・・と近づくと有麒堂さんもかなりデキる!二人ともデキている!ボクら二人はデキない!デキていない!ということで教えてもらっては席に戻り、また教えてもらっては席に戻る、を5回ぐらい繰り返しただろうか。しかし終盤になってくると本気でヤバくなってきた。紙が小さくなって来たので、折るというよりも上から親指で押しつぶすといった作業が出てきた。この時点で代表は途中で放り投げて課題を放棄。ボクが二つ同時に折るはめになったが、なんとか完成まで漕ぎ着くことが出来き、結局は同じような完成度のスケーリーフットが2匹生まれた。


おりがみスケーリーフット 左:代表 右:ボク
おりがみスケーリーフット(貝の巻き部分がヒドイ)
左:代表 右:ボク

ありがとう、ピカゴロドンさん!おかげで自分に勝つことができました!と達成感に浸っていたら、ヨシザワさんが出来栄えチェックに来られて、「ほう、代表さんの方は良く出来てますねー、深海マザーさんはやっぱり紙だとダメなのでしょうかニヤリキラン」と吐かれていった。代表もさぞニヤリとしていたのだろうが、敢えて顔は見なかったニヤリ
しんかい6500リアルバージョンおりがみをお土産に持ち帰ったが、この日の消耗っぷりを思い出すと、未だ折る気にはなれていない。

尚、アヤちゃんとスケおじマネージャーは急な人事異動があり、これが最後のイベントとなってしまった。そして終焉を向かえる事なく深海ラボカフェを後にした。最初からお世話になってきたということもあり、ボクら以上にヨシザワさんがとても残念な気持ちを抱えながら過ごしたことだろう。


渡部さんは後にシンカイジンだということを知ったのでここにご紹介させて頂くが、実にイイ笑顔である。





第四弾 深海水圧大実験!! 4/4-19:00

圧力を加えていくとカップラーメンの容器が縮んでいく、といった水圧実験は映像などでは何度も見ていたので、ボクにとっては特別そそられる企画ではなかったのだが、深海ラボカフェ最後のイベントということもあって、事前予約をせずに見学に行ってみた。

闇深まれば、水圧もまた高し、とも限らないが、高水圧と聞くと皆反応し、圧力を感じるべくこの地へやってくる。Welcome to 極限環境。Welcome to 最後の夜。ウェルカムトゥシブヤジャパン!

開始10分前だというのに、予約席には有麒堂さんが一人でポツンと座ってスマホをイジっている。そんなに人気がないのかこの企画は・・・と心配しながらとりあえず隣へ座ってみた。
講師はJAMSTEC技術研究副主幹の宮崎剛さん・・・・・・と聞いていたのだが、ヨシザワさんが作業着を着て張り切って準備をしてるではないか。確かに宮崎さんも講師だが、ヨシザワさんも講師の一人だという。その準備中の事だった。今日は厨二ストラップを持ってきてちゃんと首から下げてますよと言って見せてくれた。先日の件をかなり気にされていたのだろうと思った。その瞬間、ハッとして自分の胸元を触ってみた。

ない ない ない ない ない

忘れた・・・。今日はボクが忘れてしまっていた。すかさず代表がコイツ忘れました!と告げ口をすると、・・・・・・。これは沈黙なんかではない。ましてやメガネがキランッとしたわけでもない。なんと今まで見たこともない恐ろしい目をしてこちらを睨んでいるのだ。ゾクッ・・・!すると同時に隣の有麒堂さんが僅かに後ろへ仰け反ったのが分かった。ボクのゾクッ・・・!と有麒堂さんのビクッ・・・!が同じタイミングで起きていた。数秒で笑いの面に表情が切り替わったので安心したが、冗談とも本気とも取れないような空気が流れたのは間違いない。未だに冗談じゃなかったという可能性は否定できていない。

やっとお客さんたちがバラバラと到着し始めた。一般の人からもイベント内容が分かりやすいのか、たまたま立ち寄ったのでついでに見ていってみようといった立ち見の人も多そうな印象だった。するとヨシザワさんと代表がヒソヒソと何かを話しているではないか。何だろうと思って聞くと、水圧をかける装置をお客さんが動かすという体験型にしないかという代表からの提案だった。それは元々そういう流れで進めると決まっていたらしいが、ヒソヒソとしていたのはやりたい人!と言いますので真っ先に手を挙げてください、指しますのでという不正極まりないことだった。それに同意してサインをした代表は戻ってきて何食わぬ顔で着席した。

簡単な説明から始まり、まずは定番であるカップメンブタメンの空カップを水圧で潰すことになった。「では、やってみたい人!」ハイッ!とかなりのスピードで皆一斉に手を挙げたのだが、やはり音速を超えたのは代表だった。当たり前である。不正である。子供の目の前である。
しかし代表は見くびっていたようだ。ヨシザワさんはその不正すら異次元へ導くかのように、「はい、代表さんが一番早かったです。大人げないですね」。これにはボクもぶっ!となり、あの「ろくでなしブルース」によく登場する舌を出して「え゛ぇ゛ぇ゛」みたいなポーズを取りたくなったが、代表は「大人げなくてすいませんフンッ」と前へ出て行った。

以下は、不正行為を働いた代表が水圧実験中に天誅が下るシーンである。


ヨシザワさん「掛かっている水圧によって水深が分かるようになってるんですよ」
代表「あ、そうなんですね~」

ヨシザワさん「では初めてください」
代表「はい、深度計ヨシ」

ヨシザワさん「・・・・・・フッ。」
代表「なんだこれ楽勝すぎる・・・キコキコ・・・キコキコ・・・」

ヨシザワさん「・・・・・・。」
代表「ムッ・・・重くなってきたわよ・・・」

ヨシザワさん「ぷぷ・・・」
代表「クッ・・・!なん・・・じゃ・・・コレ・・・!!!」

ヨシザワさん「wwwwwwwwww」
代表「ふんぬーーーっ!!!プルプルプルプル・・・」

この状態で水深500メートル付近だそうだ。ここからは男子でもなかなかレバーが動かせないらしく、宮崎さんが水深1000メートルまで押し下げて、任務完了である。水圧をかける対象を変えながらあと数回これが続くのだが、やはりやってみたいと思っている人は多かった。ボクも見慣れていたとはいえ、間近で見たのは初めてで、実際に目前で何かが苦しみながら潰れていく様を見るのは想像以上におもしろかった。
深海クラスの大人げなさも凄まじいモノがあり、ロック五十四さんにいたっては、他にやりた・・・ぐらいでハイッ!と言ってしまい、フライングは失格です...キラと言われ、今度は他にやりたい人!の後にハイッ!と言ったが出しゃばると嫌われるんですよ...ギランッ!」とされて、「今メガネが光った・・・」とこちらに救助を求められたが、救出できるはずもなく、水深1000メートルを遥かに超す深度まで沈降していったが、少年が潰れた物をたくさん欲しがったためキミ貪欲だねぇと人類皆平等的なことも言われたのもあって、その毒は愛すべきモノだという空気に変わっていったような気がした。それと、ピンポン玉が水深20メートルで破裂するという並外れた弱々しさから、ピンポン玉に対する愛が変わったような気がした。




熱水噴出孔跡地4月6日

最初は長く感じ、終わる頃には短かったと感じる最終日を迎えた。JAMSTECが展示物を撤収すると聞いたので、最後にお礼が言いたくて7階へ上がった。閉店するまでコーヒーを片手に物思いにふけながら少しの間ゆっくりとした時間を過ごした。やはり寂しいものだ。短期納品などで苦しい思いを何度もした分、逆にそれがとても名残惜しく感じる。
広報課の方たちも皆思い思いにその時を待っているように見えた。

ヨシザワさん、大変お世話になり、またお声を掛けて頂きありがとうございました、と伝えると、「今からここは、熱水が枯れて構造物だけが取り残されたデッドチムニーではなく、チムニーごと爆発して木っ端微塵に吹き飛んで更地になった熱水噴出孔跡地です」と言われた。ボクは、きれいさっぱりと片付けて次の新たな極限へと進むためには切り替えが必要だという解釈をした時、ヨシザワさんのほほを伝って落ちる一粒のレンズのカケラがキラリと光ったような気がした。これはあくまで印象であり、実際に泣かれたわけではない。だが、本当にそう見えたのだった。


彼は言った。
深海クラスが集まり楽しめる空間が必要だ
そのためには ”エサ” が必要だ 
内容は特殊な物でなくていい 
ただ、一箇所でいい 
開放的な場所さえあればいい 
                    -吉澤理



終わりに、東急ハンズ渋谷店で開催された深海ラボカフェは、取材150件以上、深海カレー1500皿突破、物販も記録的な売り上げを見せ、お客様の満足度も高かったと聞いています。
そのようなイベントに関わらせて頂きました事を深くお礼申し上げます。
JAMSTECの皆様、東急ハンズ渋谷店7階HINT7の皆様、物販でご協力頂きました有麒堂様、佐竹様、その他の物販ご担当者様、そして深海クラス、大勢のお客様、感謝致します。

有り難う御座いました。

2014-03-27

一つの終わり

我輩は、絶望である。


今、深海グッズが売れている。
1~2年ほど前と比べると、種類や形態の豊富さ、それと深海に対する認識や興味の強さに明らかな違いを感じる。
「深海ブーム到来」と言っても、さすがに誰もその言葉を疑わなくなったであろう、華々しい深海ブームの真っ只中に突入した。しかしそれと同時にボクは一つの終わりを感じた。


東京の渋谷が、2月22日から「東京渋”海底”谷」へと変わり、4月6日で「東京渋谷」に戻る。
深海をテーマに、飲めて食えて買えるというカフェ形式をとった初の試み、東急ハンズ渋谷店×JAMSTEC「深海ラボカフェ」が大絶賛開催中である。

どんなモノかとザッとまとめると、JAMSTEC制作の熱水噴出孔ジオラマや、深海生物標本の展示、深海カレー(熱水噴出孔カレー)や深海ラテ(メンダコラテ、ダイオウイカラテ)など深海モチーフの飲食、JAMSTEC公式グッズや企業が販売するグッズ、手作り作家が作り出す深海グッズ、JAMSTEC研究員によるワークショップなどが主な内容である。

うさん臭さ抜群のレポートはこちら。
JAMSTEC×東急ハンズ渋谷店「深海ラボカフェ」潜入レポート


今回はこの「深海ラボカフェ」のレポートではなく、ボクも関わっている「深海グッズ」という小さな世界において考えさせられたことがあったので書き出した。


今や、深海生物や潜水調査船などをモチーフとしたぬいぐるみ、フィギュア、ストラップ、マグネット、ガチャガチャ、印刷ベースの物まで何でも出てきた。深海グッズなどほとんど存在しなく、出現した瞬間何にでも喰らいつき、静かな時は我慢してヘドロで食いつなぐ時代を生きてきた底生生物(隠れていたが最近発見された深海ファン)にとっては、現状あれも欲しいこれも欲しいと目移りばかりするようなラインナップが一気に出揃い、さらにはセンスや金銭面などと相談してどれに喰らいつくかを冷静に選べるような状況にもなった。

売り場には、1~2年前のアイデアがやっと形になったような物ばかりが並んでいるように見える。それはきっとそういうモノなのだろう。問題は、現時点から1~2年後、ではなくてもいいがさらに先、その時に形になっているであろうモノがどこかの誰かの頭の中で創られているかどうか、だと思う。

以下は、売れているグッズの代表的な特徴だが、これらに加えて新しい要素を加えるのは容易なことではない。
  1. 巨大深海生物を実物大で再現し、インパクトを持たす
  2. レアな深海生物をモチーフに選ぶ
  3. ダイオウイカ、ダイオウグソクムシ、メンダコの三つ巴
  4. 無駄にデカい、あえて使いにくい仕様
1は、ダイオウイカやダイオウグソクムシのぬいぐるみで驚き済みなので、もう他の深海生物を対象にしてやっても驚きは少ないだろう。
2は、とうとうスケーリーフットがガチャガチャとして商品化された。数年前だと採算の問題で危険生物だったに違いないが、今ではさほどレア感がなくなって身近になりつつある。近い内に熱水の生物のみならず、鯨骨の生物までも出てくるのであろう。
3は、喰らいつく理由が多様で、浅くも深くも親しめる生物たちだ。映像や実物を見たことのある人が多いことも人気の理由の一つだろう。
4は、今の時代に合ったデザインだと思うが、そろそろ発想自体に ”飽き” の香り漂う。


じゃあ次行こうか、と思っているが、見えない。色んなのを見たり感じたりしてる内に、いろいろと臆病になってきた部分も無くはない。”商品” となると難しい部分がたくさんあり、アイデアが浮かんでも形にできないことがほとんどで、「卵は産まれたけど殻の中で死んじゃったかも」というモノの残骸をゴミ屋敷のように捨てないで取っといてあるが、いつか生まれる日が来るだろうと思い続けながら、きっとボクは死ぬのだろう。

しかしながら、ボクは「深海”マザー”」という名を不用意に名乗ってしまった。この責任はとらなくてはならない。現実に大した事はできないのだが、一人の人間に備わる力というのを見てみたい。「自然が創る芸術品」とは言うが、自然の物は全て芸術品であり、あえて言うことでもない。しかし人間においては自然の一部でありながら、芸術品を創り上げるには様々な修行が必要なようだ。しかし、誰もが自然の創造と同じレベルのモノを創れる能力を持っている、と思っている。
それは、自分の中のみで実験が許される。

自分も含めた、人間が楽しめるモノを創りたい。
たとえそれが一瞬だとしても。