2012-06-24

母からの手紙

毎年この時期になると、土が付いたらっきょうの大袋が店頭に並ぶ。
それを見る度、母にらっきょうの漬け方を教わっておけば良かった、と後悔する。


連絡を絶ってから7年の歳月が経つ。
深海ぐらいの深い訳があるが、自分でそうした事だ。

そんな中、産み落とされてから三十三回目の六月を迎え、母からの手紙が届いた。
内容に関わらず、封を切るのが怖い・・・どうにかなりそうで・・・


私の心か魂かの何かの変化を察したのか。
それをエネルギーとするように、チムニーが大きくなっている。
もしかしてこのチムニーは私?
このチムニーこそが私なのか!?
エネルギーを得たチムニー
エネルギーを得たチムニー


手の震えを悟られないように、ハサミで封を切る。
中には便箋一枚と壱万円札が二枚。
瞬時に「北の国から」の泥付き壱万円札二枚が頭をよぎる。

必死に堪えながら読んではみたが、内容が頭に入ってない事に気付く。
堪える事だけに集中してしまっているようだ。
少し間を置いてからもう一度試みると、それは入ってきた。

文章から読み取れるモノが私の知っているモノと違って見える。
上手い表現が出来ないが、丸さ、静けさ、優しさ、軽さ、のようなモノを感じる。
何かがフッと消えたような雰囲気があり、確実に変わっていた。

うれしかった。
私の感情の泉は未だ枯れていなかった事に気付く。

返事を書こう。

2012-06-19

畳より噴き出し者

湿度漂う夏の匂い。
この空気の中でこの世に出たのか、などと考えてみたりする日常。

ふと気が付くと薄暗い和室の片隅になにかがある。
近くで見てみると、岩のような、鉱物のような、何かのようだ。


畳から噴き出したチムニー
畳から噴き出したチムニー
もしや、これはチムニーではないか・・・?
いや、チムニーに違いない。
ついにチムニーがウチにも生えたか!
チムニィ!ニィチム!

チムニーとは熱水噴出孔とも言うが、深海底から、、、以下略。
ウィキペディア - 熱水噴出孔

冷静になってよく見ると、黒い煙がモクモクと立ち昇っているように見える。
こいつは噂に聞くブラックスモーカーだ。
もしかしてゆっくりと成長しているのか、生きているのか。

しかし、畳から噴き出すというのは一体どういった事なのか。
偶然なのか、必然なのか、何でもないのか、まぁ、何でもイイ。
どう解釈したら良いのかわからない。

チムニー周辺の化学合成生態系―――
ハオリムシやゴエモンコシオリエビ、化学合成細菌、硫化水素などが有名だと思うが、自分もその一要素として認めてもらえるだろうか。
そしてこのチムニーは、何か私に語りかけてくるのだろうか。
そんな私はチムニーに対して何が出来るだろうか。


愛とチムニーの日々が、静かに始まった。